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           メール・マガジン

      「FNサービス 問題解決おたすけマン」

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    ★第147号       ’02−07−26★

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     失敗に学ぶ?     

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●いま<失敗学>というものが

 

流行って?いるとは、某夜NHK3 ETV2002 失敗学のススメ

<ニッポン再生の秘策>を見るまでは知りませんでしたよ。 長らくの

低迷に<失敗>を感じている人がそれだけ多い、、んでしょうかねえ?

 

しかしこの国の現状、<誰かの>と特定できるような<失敗>ではない。

我が民族の特性や日本社会の構造が原因、ですから、本でも読めば直る、

誰かが心を入れ替えれば何とかなる、というものじゃ、、、

 

と言ってしまっては身も蓋も無い。 集団は個の集合、各自が改善向上

に努めればマシなことになる、かも知れない。 そのためにそのような

本や論が参考になるとすれば、、 程度には思わなくもない。

 

で、その番組に付き合ってはみたのですが、うーん、やはりNHK、か。

いわば他人行儀、刺激も教訓も乏しいオハナシばかりで、身に迫るもの

は何もありませんでした。 以下、その揚げ足取り。

 

 

出演なさったお二人はそれぞれの畑での<成功>者。 従ってもちろん、

話材はご自身の<失敗>ではない。 考えれば道理、NHKが<失敗>

者に講釈させるなんてこと、あり得ませんからな。 

 

切り出しは工学院大畑村洋太郎教授。 <失敗学>関連10冊の著書を

お持ちで、「世の中失敗だらけだが、閉塞状態を打破するには、失敗に

学ぶべき」と穏当。 ところが一方の

 

宇宙開発事業団山之内理事長(元JR東日本会長)、ある種の無表情で

大胆発言、「失敗はチャンス。 失敗続きと言うが、私は<全然>そう

思ってない。 高度化複雑化すれば当然、、」ですとさ。 え? それ、

本気ですか? そりゃロケットも落ちますぜ、、

 

「むしろ過去の膿が、社会変革の中で吹き出している。 失敗をやたら

あげつらう風潮が萎縮を招いている」とも。 過去の失敗の積み重なり

が、隠しようの無い時代になった。 それを色々言うから萎縮するんだ、、

 

おいおい。 <高度化複雑化>に即して補強をかけるべきを怠っていた

のだから<当然>でないことは明らか。 その不備な仕組みやおエラの

無為無策を<あげつらう>のが良くない、、と?

 

そんなことで<萎縮>するほど弱くちゃ、どうせたいしたこと出来まい。

それが長期低迷のもと、じゃないのかね? そうおっしゃるあなた自身

も、あるいは<過去の膿>の一部かも知れませんぞ。 想うに、

 

失敗に対して最も寛容でないのは<上>。 部下に失敗させたくなきゃ、

初めから万全の支援で奮い立たせ、しかも万一に備える策をめぐらせて

おけば良いのだが、そうは普通なさらない。

 

斬新なアイデアには水を差し、黙々たる実行者は冷遇し、成果が見えて

来るのが待てないか急に打ち切りを命じ、、で挑戦者を<萎縮>させて

いるのはほかならぬ<上>、なのですよ理事長。

 

*   *

 

畑村教授は「挑戦や賭をしない社会は自滅するだけ。 何もしないのが

一番良い、では、、」 同感。 でも、<先送り>や<ことなかれ>の

横行する現実。 結局、この国は<自滅するだけ>かも。

 

自ら手を汚し、汗をかき、時には血や涙を流す、なんてことの無い輩が

<上>に行く仕組みが宜しくない。 リコウだろうけれど賢くない彼ら、

<一番良い>道を選ぶのはうまいが、あまりにもジコチュウ保身的、、

 

失敗イコール破滅の仕組みだから、少なくも<自分が失敗する>ことは

避け、アブナイことは誰かにやらせる。 果たして失敗、なら<誰か>

を切って済ませ、思いがけなく成功、すると「命じたのは私、、」。

 

だから誰も、それこそ(通用しない慣用句)ヨンドコロナクでなければ

<挑戦や賭>などしなくなって当然。 <何もしない>人にも給料日は

やって来ますからな。 みんな、<上>に倣うのですよ。

 

*   *   *

 

しかし教授が「チャレンジの殆どは失敗に終わるもの」と言い、それを

理事長が「ホンネで言えば、技術は失敗が付き物」と受けたのには賛成

しかねました。 その<失敗>、どんな定義なんですか?  あるいは、

 

    DAで考えれば

 

どんな MUST、WANT で<チャレンジ>したのでしょう? 狙いが一つと

は思えないし、どの WANT も同じ重みではないはず。 すべての狙いが

達成できずに終わることもあるまい、、

 

    そしてPPAで補強!

 

従って事後、あるいはどの段階かで、何がどの程度達成されたかを評価

することは必要だし、そこで次なる一手が思い浮かぶとか、(必要なら)

軌道修正も出来、徒労に帰することは避けられるだろう。 そもそも、

 

<失敗が付き物>のを<技術>とは言わないんじゃないか? <やって

みなくても分かる>のが<技術>。 そりゃ、考えたことがその通りに

行くか、<実験>で確かめることは必要です。 それもDA的に、何を

確かめるのか、どんな範囲に収まるはずか、など狙いを定めて。

 

そのようにして得られた結果がたとえ理想には届かない水準であっても、

アイデアが形になった、予測が裏付けられた、などがあれば<その段階

での成功>と言えるでしょう。 しかしあいにく、、だったら?

 

その時は、それによって技術の不十分な点が明らかにされ、改良進歩の

ヒントが得られるのだから、消極的な成功、とでも。 水準向上は常に

目指すべきこと、プラス思考で参りましょう。

 

*   *   *   *

 

理事長続けていわく、「あってはならぬことが続くのはマズイ。 失敗

の中に許容されるものもあろう。 それを生かすことが大切」と。

 

<マズイ>と言われるからには、<続く>ことが<あった>のをご存知。

となると、冒頭の「失敗続きとは全然思ってない」は何なんだ? 論旨、

一貫してませんな。 え? そうは<全然思ってない>?

 

すると教授、「<失敗>を十把ひと絡げにするのはオカシイ。 寛容さ

が無くなっているのは、十分防げたはずの失敗が起こりすぎるからだ。

 

不作為の失敗、即ちやるべきことをやらなかったというのは犯罪的失敗

だ。 BSEにおける農林省 雪印乳業の集団中毒、どちらの組織にも

それをもたらした<文化>がある。 同じ体質、同じ考えの人たちなら、

また必ずやる、、 それが<文化>、あるいは<メカニズム>だ」と。

 

そんなのを叩き直すには、精神科や内科じゃマドロッコシイ、外科手術

あるのみ。 まず、相当数の<上>を有無言わさず監獄へ放り込むべし、

<犯罪>者なんだから。 そして、真っ当で断固たる人物(<下>から

抜擢!)を代わりに据えりゃOK, I presume 。  なのにそうせず、

 

バカみたいな言い訳をさせ、意味なく猶予期間を与え、後始末もせずに

辞めることを許し、高額の慰労金まで支払い、天下り先を世話してやり、、、

むしろ寛容すぎるんじゃないか、この国は。

 

*   *   *   *

 

すると理事長、「40年鉄道にいて事故とは背中合わせだったが、何か

あると上司は怒って、シッカリやれ!、ちゃんとやれ!、、 と言うが

 

 そんな風土があなたを<無表情>にした?

 

それでは第一線には浸透しない。 ドキン!とさせるには、、、怖い目

に遭った方が良い」と。 これに応じて教授が出した例はアメリカ海軍、

 

「パイロットの訓練で、あるレベルを超えた失敗をすると、本人が怪我

をするようになっている。 シミュレーションには限界があるから」と。

つまりイタイ思いをさせる、身にコタエテ憶えるようにしてある由。

 

 アメリカでフリー・ウェイ走行中、運転していた友人が言ってました。

 「こっちの標識は守らないと命に関わる。 カーブで制限45マイル

 と出てたら、そこまで落とさないと本当に道から飛び出す、、」

 

その眼で見ると我が国の組織、文字通り<命がけ>の掟が(<ヤ>業界

は別として)ありませんな。 それが不祥事続発最大の原因、では?

 

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●対談の終わり近く、

 

教授が言及したのは<みずほ>。 1)新規システムを組むべきだった、

2)予行演習を実施すべきだった、 3)経営の問題という意識の欠如、、

 

だから「トップの考え方や価値観が変わらない限り、いつでも同じこと

が起きる。 現在頻発の失敗はトップの無為無策。 組織トップの実力

向上こそ、社会の体質を変え、活力をもたらす第一の条件」

 

  やれやれ。 初めからそこを衝いて欲しかったです。 

 

「原因究明が必要なのに一件落着だけを狙いがち。 <おおごと>には

にしたくない、が先行。 詰まると社内の責任追及で体裁を整え、マス

コミの追及を免れようとする。 <恥ずかしいこと>という基本認識」

 

「また、法体系も我が国は責任追及本位。 だが、<次>を起こさずに

済ませるには何より原因究明。 そのためには免責や司法取引など必要。

<不作為>に対しては加重懲罰があってしかるべし、、」

 

  最終的には何とか通じ合っていたようですな、教授。

 

 

「警察任せ、一応取り調べてオシマイ、ではどうしようもない。 事件

をきっかけに、トップの決断で組織を変えるべき。 トップが自覚して

行動した時にのみ変わることが出来る。 失敗に関してはボトムアップ

ではダメ。 トップダウンでなかったら、多発は避けられない、、」

 

そりゃ無い物ねだりですぜ、教授。 トップダウンが出来ないからこそ

多発続発してるんじゃ? それが<秘策>ですか? そんなオハナシに

 

頷いてちゃダメですよ理事長。 決断どころか自覚もしないのが<上>。

だからこうしよう、まで語らなくちゃ表題が泣きます。

 

要するにあなた方の言う<失敗>は、正しくは<怠慢の結果>でしょ?

時には、そこまでは思いつけなかった、ということもあるだろう。 が、

起きたことにどう対処するか、そこにその人の資質や人柄が表れるもの。

 

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Rational Process PPAは、<時には>のムラを無くし、<失敗>に

対処する<資質>の肝心部分を補強するツールです。 それがあるのに

用いないとしたら、、?  そう、もはや<人柄>の問題。

 

<上>が用いれば、<下>の能力が発揮させやすい、徹底が図りやすい。

<下>が用いれば、ワカランジンの<上>でもワカラナイとは言うまい。

 

「失敗は成功のもと」は、すべてが緩やかだった昔の格言。 今は連鎖

の時代、「失敗は(引き続いて起きるであろう)大失敗のもと」です。

 

失敗したくなければDA、成功を確実にしたければPPA、するに限り

ます。 教授集大成の<失敗法則>30項目は、どれを取り上げ、どう

仕事に織り込んで生かすか、その工夫自体が一仕事。 思考パターンを

体系化した Rational Process なら即座に使えて便利です。

                          ■竹島元一■

     ■今週の<私の写真集から>は、 ★頑丈な脚★

 

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